ヴァイオリン,二胡 脱力
私はレッスンで,良く
力を抜いて、
という言葉を使いますが,
どういう状態なのか,よく分からない,
という声を生徒さんから良く聞きます。
力を抜いてしまったら,弓も使えないし、支えれない、
というわけです。
もちろんそれは、抜き過ぎです。笑
いつも言いますが、
お箸や鉛筆を使う動作に良く似ています。
指の一つ一つは、独立して必要な動きを
力まず行いつつ、
その一つ一つの動きが、自然に全体の動きに繋がります。
お箸や鉛筆を使う時、
ぎゅっと握ったり、関節が硬直したりしないのと同じように、
弓を使う時にも、指や関節のしなやかな動きが
必要なわけです。
音というのは、
弦と弓の毛がこすれ合って,摩擦を起こすことで、
出るわけですが,
脱力して、
といわれた時に,
力を抜いて,その抜いた重さを、
もし、そのまま弦にのせてしまえば、特にそれが弓元に近い場合は、
のせすぎると音がひずみます。
私は,良くこういう例えをしますが、
柔らかい丸いものがあるとして、
それを,手でつかむ場合に、
適度な力で挟むとつかめますが、
あまりに強い力で挟むと、
つぶれてしまいますね。
音も、同じようなことがいえます。
弦と弓の毛との間に生じる圧力が
あまりに強すぎると、
音がつぶれてしまい、ひずむわけです。
ですから、脱力をして、
力を抜いた手の重さを、
楽器にのせる、
ということにも,もちろんある程度の加減が必要ということです。
そこから、考えていくと、
弓元,弓先での圧力のかけ方にも当然違いが発生することが
分かります。
その先は,,,,,
皆さん,是非ご自分で試行錯誤してみて下さい。
脱力,というものは、
結局文章で理解するには、限度があります。
楽器を触ったぶんしか、体は理解してくれない、
と思った方が良いかもしれません。
自分で体得したことは、
人から教わったどんな説明よりも、
勝る、ということです。
練習だけは、自分を裏切らない。
これは,私の先生が
小さい頃に教えてくれた言葉ですが
自分が練習して練習して、初めて
恩師の言葉の真の意味が、
理解できる、ということも、
よくあることです。
さて,というわけで
私も少し練習してから就寝したいと思います。