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弓使いと音階練習  ヴァイオリン,二胡

2月になりました。
暦の上では、立春を過ぎ,春を迎える,ということですが,
、、、、とてもじゃないですが、
そんな気持ちにはなりませんね,,,。
家の中でさえ寒くて,
あまりの寒さに,
ハロゲンヒーター、エアコンに床暖房ガンガンで
知らぬ間に,床に転がって寝ていることも
珍しくないような生活を送っている竹内ふみのでございます。
さて、レッスンでは
新しい調が出てくる時、
私は,生徒さんに必ずその調に応じた
音階練習をやっていただきます。
しかしながら,ほとんどの生徒さんは、
この、音階練習を不得手として,苦手と思うようです。
いや、どちらかといえば
気持ちは,痛いほどよく分かります。
私も,幼い時分、このスケールシステムが大嫌いで,
いかに、さぼるか,ということを念頭に入れた練習しかしていませんでした。
曲ならまだしも、こんな面白みに欠ける音の羅列をただ弾くなんて,,,,
と、幼心に、小馬鹿にしたものです,(嫌な子どもでした,,,,)
しかしながら、曲を弾ける人,
というのは,必ずスケールをマスターしているといっても過言ではないと思います。
ヴァイオリンに於いては,
スケール練習のみで構成されている分厚い教本があるくらいですから、
その重要性が窺えますね。
音大時代の友人が,
そのスケール教本を
やり終えて、
『終わった!!!』
と,喜びに満ちあふれた瞬間、先生に、
『では,もう一度,初めから,』
と,1ページを開かれたときの,絶望感といったらなかった,
というのを聞くに付け,ぞっとしたものですが、
要するに,そのくらい重要。ということです。
音階練習は、スケール(音階)練習と、アルペジオ(分散和音)練習に分かれますが,
二胡では、アルペジオとなると、かなり難度が増すため、
基本,スケール練習のみを扱います。
私が、たいてい生徒さんに
やっていただくものは、
1度,3度の音程で動いていくスケール。
それを、まずは,1音,
それから,2音のスラー(連弓)、4音スラー,8音スラー、
の順で、進んでいきます。
そうすると、どうなるかというと、
大抵は、
最初,1音づつ進行している場合は,何ともないのに、
スラーが増えていくに連れ,難しくなってミスが増えます。
これは、
左手の意識が強すぎたり、
また、
たくさんの音を一弓に納めなければならない,
というところからくる難しさと思われますが,
こういう時、
一番注意をしたい点は,右手にあると感じます。
が、
多くの場合,音程を決めるのは左手に決定権があるため、
また、右手は,とりあえず動かしておけば,
音は出るので事足りる,ということで、
演奏時,かなりの意識が,左手に行っていることが、
多々あります。
そうすると、右手の動きは
中弓を基本とする,一定量しか使われないことが多く,
つまり、弓の量,配分に対しての意識が薄くなっている
ということです。
そういう弓使いに慣れてしまうと,
たとえば、スケール練習での8音スラーのように、
弓を全弓で処理しなければ
到底間に合わないような,音数のときにも、
無意識に,普段使用している半弓くらいの分量の,一定量しか
弓が使われず,その結果8音が一弓に入りきらず
最後あたりの音は,弓が足りず
ギリギリと凄まじい音質になって、、、、、
ということが,起こりかねませんね。
もちろん、弓が足りなくなるのは
量の問題のみでは,ありませんが
量が増えれば改善されることもたくさんあるかと思います。
そうして、そういった弓使いに関する諸々と,
私が推奨するスケール練習は、実に密接にかかわり合っていると感じます。
次回は、この スケール練習と弓使いについて
続けて,考えていきたいと思います。