コセイ
ヨク、
「カワッテイル。」
ト
イウヒトガイル。
モチロン、
ワタシモ
ツカウコトバデハアルケレド
タシャニタイシテ
オモウコトハアッテモ、
ジブンニタイシテ
オモウコトハ
ホボ ナイ。
タマニ、
ジブンジシンガ
カワッテイル。
トオモウ。
トイウヒトニ
デアウト、
タイヘンダロウナア。
ト
オモウ。
カワッテイル
ト
カンジル
トイウコトハ
フツウジャナイ。
ト、
カンカクガ
オモウ。
トイウコトダ。
ジブンノナカニ、
ジブンニタイシテ
ツネニ
ソノカンカクガアッタウエデ、
ソンナナカデ、
ジブント
キョウゾンシテイクノハ
ワタシナラ、
イキニクイ
ジョウキョウ コノウエナイ。
ト
オモウ。
イツモ、
アタシハ
ジブンガ
イチバン
マトモデ
フツウダト
カンジテイル。
ダカラ、
ソレユエ、
マワリノヒトタチニタイシテ
カワッテルナ!
ト
オモウコトハ
タタアル。
ケレドモ、
ソレハ
ヒトノコトダカラ、
カワッテイテ
アタリマエナノダ。
カワッテイルカラ、
オモシロイ。
ジブンジャナイカラ
オモシロイ。
コセイテキ
トイウコトバモ
ヨクミミニスル。
コトバハ
イロンナカイシャクヲ
ウミダスカラ、
イロンナ
トラエカタガ
アルンダロウケレド
ワタシハ、
コセイ
トイウノハ
ソノヒトソノモノ
ダト
オモッテイル。
ダカラ、
ワザワザ
コセイテキ。
ナンテコトバヲ
ツカワズトモ、
ミンナ
ヒトリヒトリ
チガウガ
アタリマエ。
タダ、
ソレニタイシテ
キョウミガ
ワクカ イナカ
ハ
ベツモンダイ。
ソレハ、
ジブンノ
ココロノ
コウキシンクンガ
ソノヒトソノモノ
ニタイシテ
ウゴクカ イナカ
ニ
カカッテイル。
個性とは元素のようなものではなくて
ひとつの有機体。
色々な種類の元素が
離れがたく共存している。
もし分離させようとしたら
それぞれの部分は死んでしまう。
例えばぼくの自我は
劇場の一座ほどもある。
そこには預言者のような老人も登場すれば
残忍な英雄もわめく。
アルコール漬けの遊び人が博識な教授と理屈をこね
慢性的恋煩いの抒情詩が賛美の声をあげ
パパが小うるさく文句をつけ
おじさんが気配りして仲介にはいり
おしゃべりおばさんがうわさし
意地悪女中がくすくす笑う。
ぼくは目を丸くして眺めるばかり。
とがったペンを左手にもって。
妊婦がひとり登場しようとする。
しっ!とぼくは怒鳴る、きみは仲間じゃない。
きみは分離可能だ。
すると彼女は色あせる。
パウル クレー